猫又、化け猫、福猫、猫のフォークロア


by nekomanisto

猫と浮世絵

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うるささう 月岡芳年 明治21年

原宿にある太田記念美術館に行って来ました。「浮世絵にみる愛されるペット」という企画展が開催されていたからで、これはきっと国芳の猫浮世絵なんかもあるに違いない、と思ったわけです。
浮世絵というと、江戸時代のもの、という感覚がぬぐいがたくあるのですが、実際には明治年間においてもかなり盛んだったようで、明治時代の作品も沢山ありました。
実際に、絶対数が一番多いのかどうかは判りませんが、展示されていた浮世絵 或いは肉筆画に描かれていた「ペット」の大半を占めていたのは猫で、わたしはその描かれている猫の毛色と尻尾にばかり目をやっておりました。
やっぱり、圧倒的に白黒ブチの猫が多い。尻尾も短くて巻いている イマドキにいうと、「かぎしっぽ」の猫が圧倒的に多いです。シマ猫は 1匹しか展示されておらず、まるでトラみたいな顔に描かれていて、(顔つきがコミカルで可愛かったですが)他の猫とは違いました。
浮世絵などの資料を散漫に見ていて、かーがシマシマと白斑の猫であるからか、自然とそういう猫を探しますが、そういう画にはあまり行き当たりません。近代以前の日本には、しまねこがいなかったのか??? と最初は早合点しそうになりましたが、どうもそういうことではなく、絵師たちの好みであるとか、当時の流行であるとかが大いに反映されているようです。そりゃそうですよね、猫のシマシマ柄って、いちばんありふれているはずですし、だからこそシマシマ猫というのは 画材としてあまり歓迎されなかったかもしれません。日本画としては、ごちゃごちゃしすぎだろうし…。
浮世絵に描かれたペット、ということで、さぞ歌川国芳の作品が多かろうと思ったのですが、実際にはさほどでもありませんでした。この美術館自体が、個人の収蔵作品を展示しているものなので、収蔵されていた方の好みによる淘汰も当然そこにはありますし。展示作品を拝見する限り、あまりケレン味のあるものは好まれなかったようですから、国芳はお好みではなかったとしても、「そうかもねー」という感じでした。
歌川国芳という人は、猫好きで知られた絵師だったようですが、遺された作品も、なかなか変わったものが多くて面白いです。猫を描いた戯画も数多いようですが、一番わたしが気に入っているのがこれです。中央にある「ニャロメ」のような猫又の絵。
これは当時ご禁制だった役者の似顔絵を落書きにみせかけて描いたもので現存するものは3種類あるようですが、そのうちの一枚にこのネコマタ君がいます。ちゃんとてぬぐい被っているし、尻尾も二股だし、これはなかなかに貴重な資料です。(by 助手)
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by nekomanisto | 2005-08-14 22:38 | 付箋